大規模なターミナル駅である上野駅は、多数の在来線、地下鉄、新幹線などが乗り入れる交通アクセスに恵まれた街です。JR東日本だけでも、京浜東北線、山手線、常磐線、上野東京ライン、宇都宮線、高崎線の6線が、東京メトロは銀座線、日比谷線の2線が乗り入れています。また新幹線も北関東や東北地方・北陸地方へ伸びる路線が数多く集結しており、1991年に東北新幹線の東京—上野間が開業するまでは、 “東京の北の玄関口”としての役割も果たしてきました。そして現在は成田駅へ向かうスカイライナーの起点駅でもあり、国際的な玄関口として多くの外国人観光客を迎え入れています。古くはJRの前身である日本鉄道の駅として明治に誕生した上野駅。昔から変わらず、人の流れが絶えない賑わいの街であり続けています。
多種多様な飲食店がひしめく上野駅周辺
下町情緒溢れる街並みに、「アメ横」や「上野動物園」などみどころいっぱいの上野駅周辺。駅直結の「アトレ上野」や「マルイ上野」、再開発によって誕生した「PARCO_ya」など商業施設のレストランから、アメ横周辺の大衆居酒屋や屋台、そして歴史ある老舗など、訪れる人の多様さを物語るかのようにバリエーション豊かな飲食店が軒を連ねています。
上野ー御徒町間を結ぶ“アメ横“
御徒町駅と上野駅間を結ぶアメヤ横丁(通称アメ横)は、都内で最も活気ある商店街の一つです。“下町の台所”ともいわれ、特に年末の時期には都内近郊から食材を買い求める人々があとを絶ちません。アメ横にではフルーツ串やタピオカなど食べ歩きを楽しむ人も多く、新鮮な魚を立ち飲みで味わえる「呑める魚屋 魚草」や、新大久保でもおなじみの韓国本場のホットドック店「アリランホットドック」など気軽に小腹を満たせるコスパのよいお店がたくさん軒を連ねています。
上野のグルメスポット「UENO3153」
上野駅前の名物ビル「UENO3153(さいごうさん)」には、日本を代表する外食チェーンが集結しています。上野にはたくさんの飲食店があるためどこに入ろうかと迷ってしまうことも多いですが、ここに来ればお子さんからお年寄りまで、あらゆる世代が満足できる飲食店がそろっているので安心です。がっつりお肉が食べたい方には「叙々苑」や「ペッパーランチ」、さっぱり魚系がよければ「築地玉寿司」などおなじみの有名チェーン店がそろい、また上野といえばはずせない名店「上野精養軒」の支店もはいっています。西郷隆盛のふるさとの薩摩料理を食べさせてくれる「薩摩魚鮮」なども人気です。
上野といえば“せんべろ”酒場
そして上野ではずせないのがコスパのよい“せんべろ酒場”です。上野に来たからには“はしご酒”は当たり前と、3軒目、4軒目と飲み屋を渡り歩く人たちも多く、そういったお店は日中から賑わっています。刺身・モツ煮・ハムカツなど定番の立ち飲みメニューをワンコインで楽しめる「立ち飲み たきおか」や、安すぎ注意!の立ち飲みチェーン晩杯屋(ばんぱいや)の座れる店舗「大衆酒場晩杯屋 北関東ふるさと編 ファンデス上野店」など、上野駅周辺は、酒飲みにもお財布にも優しい名店の宝庫です。
歴史を物語る老舗高級店も充実
歴史ある街だからこそ、上野には高級店や老舗も数多くあります。不忍池のすぐ近くにある「鰻割烹 伊豆栄(いずえい)」は、江戸時代中期創業の老舗で、約300年の長い歴史がつまった“砂糖を使わずにしょうゆとみりんだけでつくった辛口のタレ”は一度は味わってみたい名店の味です。また、和風建築が趣深い明治8年の老舗「韻松亭(いんしょうてい)」では、昼は本膳料理や会席料理、夜は鳥すき焼きや季節の会席料理を楽しむことができます。そして、フレンチでは旧貴賓室を活かした落ち着いた佇まいの「ブラッスリー・レカン」なども有名で、重厚感溢れるレトロな空間でいただくワインやこだわりの一皿は、特別な時間を演出してくれそうです。
再開発でさらにアップデートされた賑わいの街
2011年に上野の森の自然と、職人たちの芸術性を表現する『Artisan Promenade(アルチザンプロムナード)』をテーマに生まれ変わった上野駅ですが、2020年には、さらに上野公園への導線だった公園口が、北へ約100メートル移設されるなどの大規模なリニューアル工事も完工しました。
駅周辺の施設では、2012年に上野のシンボル的存在であった上野公園「西郷会館」が、「UENO3153(さいごうさん)」へと生まれ変わったことを皮切りに、2015年には松坂屋跡地に、松坂屋とパルコが連携した超高層ビル「上野フロンティアタワー」がオープンし新たな人の流れを生み出しました。フロンティアタワーの上層部はオフィスビルになっており、1〜6階にはパルコが運営する「PARCO_ya」、7~10階には上野エリア初の映画館「TOHOシネマズ上野」がオープンしたことも話題になりました。そして2016年には「ホテルライフツリー上野」やオフィスビルからなるもう一つのビジネス拠点「上野イーストタワー」が竣工するなど、上野の強みでもあるビジネスと観光の両面が、再開発によってさらに強化されました。
また住環境では、元東天紅跡地にタワーマンション「ブリリアタワー 上野池之端」が2019年に竣工し、
上野公園不忍池を眼下に臨むアクセスのよい立地で人気を集めています。
どうなる?これからの上野再開発
上野駅は周辺の御徒町や稲荷町、入谷など徒歩でアクセスできる地下鉄沿線駅も多いですが、今後開発の予定が発表されているのが、東京メトロ銀座線「稲荷町」駅方面へ広がる「東上野4丁目・5丁目エリア」です。上野駅周辺の中でも、台東区役所や警察署、消防署などの公共施設が集積しているエリアですが、今後の開発では、その公共施設の再編と文化・観光機能の強化、まちの潤いと賑わいを感じる空間として整備が予定されていおり、約6.9ヘクタールに渡る大規模な開発が、今後どのように展開していくのかが注目されています。
どんな飲食店がある?
多くの飲食店がひしめき合う上野駅周辺ですが、特に和食屋と居酒屋が多く、合わせて約1,400店舗と、全体の半数に近い数を占めています。次いで多いのがBARで、283店舗です。意外かもしれませんがカフェも244店舗あり上位です。
どんな飲食店が出店チャンス!?
繁盛店の近くに同じ業態の店を出すと、その街を訪れる顧客の需要にマッチしているため、周囲に認知されやすくなると言われています。上野には『和食』と『居酒屋』の店舗がとりわけ多いことからも、観光客をターゲットにした業態で出店するチャンスがありそうです。また、国内だけでなく海外からの観光客が多い上野は、気軽に入りやすい店や、日本の雰囲気を楽しめる店、ここでしか食べられないものがある飲食店にも需要がありそうです。