東京都北区と隣接する埼玉県川口市は、タワーマンションが林立するベッドタウンとして知られてきました。その中心市街地である川口駅周辺は、再開発により大型ショッピングモールやスーパーなどの生活環境が整い、ファミリー層を中心に居住地としての人気を高めている注目の街でもあります。
今回は、そんな川口の魅力についてご紹介します。
都内へのアクセスや家賃の安さから注目されているベッドタウン
1994年の「スカイフロントタワー」建設に始まり、98年に当時の住居用マンションとして日本一の高さを誇った「エルザタワー55」が建設されるなど、90年代から再開発に力を入れてきた川口市。
2000年代中盤の建設ラッシュを経て、現在はタワーマンションが林立する都心のベッドタウンとして定着しています。現在も新たな再開発事業が進行中で、さらなる活性化が期待されています。こうして見ると、川口は再開発によって成長してきた街と言えます。
川口市は子育て世代に対する行政制度が充実していることからファミリー層が多い街です。市内には市民の憩いの場である川口市立グリーンセンターや、市民からの信仰が厚い密蔵院もあります。
家族連れや子供に人気のスポットとしては大型ショッピングパークであるアリオ川口が有名です。川口市立科学館やSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザでは体験型学習を通じて、子供の情操教育を行う施設も充実しています。
都心へのアクセスが抜群である割には家賃が安く、居住者をターゲットとした飲食店もたくさんあります。これからも川口市には多くの人が流入し、飲食店が増えることが期待されているエリアなのです。
都心へ直結の交通アクセス利便性
川口市は東京都北区に隣接していることから、都心へのアクセスが良好な街です。すぐ隣駅が赤羽駅のため、埼京線に乗り換えれば渋谷や新宿まで30分前後、池袋までは20分で出ることが可能です。
また、赤羽駅には7路線が乗り入れていて、赤羽駅乗り換えで都内のたいていの街には出かけやすいのも特徴です。JR京浜東北線は、東京駅や大宮駅に直通でつながっていて、巨大ターミナル駅に乗り換えなしで行くことができるという点も、川口が人気の街である理由の一つです。
駅周辺には大型ショッピング施設や飲食店が密集
川口駅周辺には大型のショッピング施設や飲食店が密集しており、ショッピングはもちろんのこと、食事をする場所にも事欠きません。特にラーメン屋と焼肉屋は、川口駅周辺でも激戦区となっています。
商業面も充実、ショッピングに最適な街
川口駅の南東にそびえたつ「エルザタワー55」は、地下1階地上55階、高さ185.8mのタワーマンションです。2002年にはその隣に「エルザタワー32」も建設されました。
この「エルザタワー55」は、2004年に東京都港区の汐留H街区超高層棟ができるまで、日本で最も高い超高層マンションとして知られており、川口の再開発の象徴となっていました。
ちなみに2019年5月現在、2009年に大阪市中央区に建設された54階建ての「北浜タワー」が209.1mと最も(高さが)高い超高層マンションとなっていますが、2022年に虎ノ門・麻布台地区 B-1街区に竣工予定の270mの超高層マンションに記録を塗り替えられることが予定されています。
川口駅には西口と東口がありますが、西口はどちらかというと住宅街が広がっていて、飲食店を利用するには東口へ行く必要があります。
川口駅西口には総合文化ホール「リリア」があり、コンサートやイベントなどの催しが定期的に行われています。
川口駅の東口にはそごう百貨店をはじめ、大型のショッピング施設が点在しています。また、川口銀座商店街にはさまざまな個人商店が軒を連ねているほか、チェーン店もたくさん入っていて、いつも人通りが多く、にぎやかな印象です。
川口駅前には川口西公園があり、市民の憩いの場です。
川口駅周辺で進められる大規模再開発
現在、川口駅東口徒歩5分ほどの場所に位置する約1.1haの土地を利用して、川口の表玄関とも言える中心地の活性化を目指す再開発計画(「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」)が進行中です。
川口駅東口から東へ約300mに位置するこの区域には商業施設が密集してはいますが、不正形な敷地や未利用な敷地に老朽化した建物も多いため、建物の更新時期もきているようです。
また、現在の商店街には未利用な敷地が多いため、銀座通り商店街に面した低層部分を主に商業施設として、高層部分には高齢化社会を見据えたバリアフリーの住宅を建設することで商店街の活性化が期待されています。
地上29階建て、高さ約100mの複合タワーマンションが建設予定で、人口増加によるファミリー層の流入も見込まれています。
この再開発に伴い、敷地東西を貫通する通路が配置され、街を訪れる人の流れも活性化されて駅周辺がさらに発展しそうです。2018年の3月に埼玉県の認可を得たこの再開発は、2023年3月の竣工予定です。
子育て世代への行政サポートが厚い街
大型ショッピングモールやスーパーの充実、都心へのアクセス利便性など、川口の住環境の良さの理由はいろいろありますが、子育て世代への行政サポートは大きな特徴です。
川口市では、中学生までの児童は医療費無料となっているほか、無料の子供料理教室や科学教室が開催されるなど、子供たちの学びの場も充実しています。主な市内の施設は、市民であれば半額で利用することができ、子供を持つ世帯の経済負担を軽くするさまざまな制度が実施されています。
また、市内には広い公園や遊具などもたくさんあり、子供の遊び場にも事欠きません。こうした子育て環境の充実ぶりが、川口へのファミリー層の居住人口増加にひと役買っています。
さらに川口市は、2018年4月1日に中核市へと移行しました。これにより、ますます各種制度の充実が期待されています。
どんな飲食店がある?
川口に最も多い飲食店は和食(192件)。次いで居酒屋(104件)が多く、半数以上の差を開いてカフェ(54件)、中華(53件)と続きます。和食の比率が全体的に高く、その中でも焼き鳥や寿司が人気のようです。
どんな飲食店が出店チャンス?
川口市にはファミリー層が多く客層が幅広いため、ターゲットを絞った出店計画を練る必要があります。たとえば、ファミリー向けだと食べ放題のお店などが人気です。
また、川口市には居酒屋もたくさんありますが、大衆向けのこれぞ居酒屋というお店もあれば、カップルなどをターゲットとしたおしゃれな個室を用意した居酒屋もあります。
居酒屋に関してはニーズによる使い分けが行われているので、どういった客層をターゲットにするのかを考えて出店することが重要です。ニーズは大きいので、客層とマッチすれば出店チャンスと言えるでしょう。
女性をターゲットにするのであれば、おしゃれなカフェがおすすめです。川口市にもカフェがありますが、都心などと比べるとまだまだ多いとは言えず、出店チャンスと言えそうです。特に隠れ家的なカフェや古民家を改造したおしゃれなカフェが人気です。
どんな客層?
【平日/昼】
都心のベッドタウンである川口は、平日昼間は仕事に出かけてしまう方が多いため、昼間人口は少ないです。しかし市役所などもあり、市内の労働人口も110,114人と一定数います。メニューは1,000円以下というお店が多数で、中には500円台のお店もあり、東京に比べるとやはり安いです。
【平日/夜】【土日】
反対に夜間は都心に通勤していた人たちが帰ってくるため、人口が増加し、典型的なベッドタウンと化します。平日は仕事帰りのビジネスパーソン、土日はディナーを楽しむファミリー層がメインになり、メニューは3,000~4,000円が平均的です。
川口の人口特性
川口の総人口は600,050人(2018年)です。その中でも、世帯数は280,069人となります。前述の通り、ファミリー世帯が多く住んでいるエリアです。男女比を見てみると、全体的に男性の人数が若干多い傾向にあります。
川口の乗降人数
川口駅にはJR京浜東北線が乗り入れ。2017年の1日平均乗降人員は84,231人で、埼玉県内のJRの駅では、大宮駅、浦和駅に次ぐ第3位です。
川口の賃貸相場
川口で部屋を借りる場合の相場は、ワンルームの場合5.91万円、1LDKの場合8.84万円。また2LDKは9.63万円、3DKは8.56万円となっています。ちなみに2018年の2LDK及び3DKの相場は昨年に比べ上昇傾向にあるもようです。
川口の店舗賃料相場
川口の店舗賃料は、月に20~40万円というところがもっとも多いようです。こちらが全体の29%を占めてます。次いで多いのが20万未満で23%。平均賃料相場の推移を見てみるとほぼ横ばいでしたが2018年に入り若干、下降気味なので狙い目かもしれません。