東京都港区の表参道は大通り沿いを中心に国内外のブランド店やセレクトショップが並び、駅周辺には多数の有名ヘアサロンが展開するおしゃれな街です。表参道駅には東京都近郊の各方面から直通電車が乗り入れており、乗り換えに多くの手間はかかりません。日頃、ブランド品にあこがれを抱いている人は、心ゆくまで買い物を楽しめるでしょう。そこで今回は、表参道へのアクセス方法や街の変遷をふまえつつ、この街の魅力となっている「おしゃれ要素」についてご紹介します。
全身のおしゃれを楽しめる街「表参道」
「表参道」は、もともと明治神宮への参拝するために整備された大通りと言う意味がありました。現在は都道413号線に含まれていますが、その名は地下鉄「表参道駅」として知られ駅周辺の地域一帯を指す総称にもなっています。ブランドショップと美容室ともに人気店が多いエリアとして有名であり、「おしゃれの街」表参道のイメージを決定づけています。
「表参道駅」へのアクセス
東京メトロの表参道駅は、東京都港区北青山三丁目にあります。乗り入れている路線は、銀座線、千代田線、ならびに半蔵門線です。千代田線は、JR東日本の常磐線および小田急電鉄の小田原線と直通しています。前者は東京と千葉・茨城をつなぎ、後者は新宿区新宿駅から神奈川県小田原市の小田原駅に伸びる路線であり、東京都の東側と西側ともにアクセスに不便はありません。
また半蔵門線は東京と神奈川の間を走行する東急電鉄に加え、埼玉・千葉・栃木・群馬に及ぶ東武鉄道とも直通運転を行っています。東京都の北側から訪問する場合も、それほど乗り換えに苦労しなくて済みます。
「表参道」誕生の背景と「表参道駅」の名称の歴史
表参道は、明治神宮に通じる正面側の参道として1919(大正8)年に誕生しました。背景となった出来事は、1912(明治45)年の明治天皇崩御です。天皇を祭るための神宮を建設したいという声が、当時の東京市民から上がりました。神宮建設の機運が高まると、1915(大正4)年に内務省から明治神宮の創建が発表され1920(大正9)年に造営が完了しました。その流れのなか、表参道の建設作業も進められたのです。これら一連の事業には、全国から多くの国民が自発的に参加したと言われています。
この表参道(現都道413号)と青山通り(現国道246号)との交差する地点に位置する施設が、東京メトロの「表参道駅」です。1938(昭和13)年に開業した当初、駅名は「青山六丁目駅」でした。翌年に「神宮前駅」と改称されますが、1972(昭和47)年に「表参道駅」の名が登場します。それまで銀座線の駅だけでしたが、千代田線の駅が開業すると新しい駅名が使われたのです。これに伴い銀座線も同名に変更し、1978(昭和53)年には半蔵門線の駅名としても採用され現在に至っています。
戦後、表参道は流行の発信地へ
建設当時の表参道は砂利道であり、大きく変貌を遂げたのは戦後になってからです。周辺地域が開発されるとともに、この通りも拡張工事により道幅が広がりました。1970年代になりファッションの中心地が新宿から原宿・渋谷方面に移ると、表参道エリアにも有名ブランド店が集まり始め、流行の発信地として活気づきました。今ではフランスの「ルイ・ヴィトン」、イギリスの「バーバリー」、アメリカの「ラルフ・ローレン」など、高級ブランドに関心のない人でも一度は耳にしたことがあると思われる店名が数多く並んでいます。
一方、大通りから路地に入ると、各種のセレクトショップが目に入ります。店内は、オーナーの感性にしたがい選ばれた多種多様なブランド品によって占められています。取り扱っている商品はファッション関係に限定されず、店によっては日用品や北欧の古い家具もそろっており、バラエティ豊かです。いずれの店舗も独特の雰囲気があり、店に足を運べばオーナーのこだわりを感じられるでしょう。マンションの一室を利用している場合もあるので、どこに店舗が隠れているか探しながら歩いても面白いかもしれません。
ブランド品は決してリーズナブルな価格ではなく、それなりに予算が必要です。国内を移動するだけで済みますが、ブランド好きの人は次々に目を奪われ財布のひもが緩み続ける恐れがあります。それだけ、表参道には人々を引きつけるブランドショップがあることの表れと言えるかもしれません。
美容室の有名店も多い表参道
表参道に行ったら、ブランドショップをめぐるだけでは十分に楽しんだとは言えないでしょう。このエリアには、人気の美容室が駅から数分の範囲内に何件も集中しているためです。カットの技術に自信のある店、流行を取り入れつつ「自分らしさ」も追求してくれる美容室、あるいはカフェのような雰囲気が自慢のヘアサロンまで、その魅力は多彩です。お好みに合わせてお店を選ぶ楽しさを味わえるでしょう。
表参道の美容室は、よく専門雑誌に掲載されるだけでなく、モデルや芸能人が通っていることも少なくありません。この街に勤務しているスタイリストのなかには、雑誌モデルやテレビタレントの専属となってヘアースタイルをセットしている人も含まれているわけです。運が良ければ、お気に入りの女優さんを担当している美容師にカットを頼める可能性もあります。
人気のスタイリストに髪形などを手がけてもらい有名ブランドに身を包めば、全身のおしゃれを満喫できます。ブランド品を購入しただけで満足してしまったら、もったいないかもしれません。
どんな飲食店がある?(1km圏内)
表参道では、2,288件の飲食店が営業しています。カフェが最多の506件であり、全体の約1/4を占めている点はおしゃれな街ならではの特徴でしょう。居酒屋442件と和食380件に続き、BARが340件、イタリアン・フレンチが337件と上位に入っていることも、街の特徴を反映した結果と考えられます。
どんな業態が出店チャンス?
出店を予定している街に繁盛店がある場合、その業態は街の住民にかなり浸透していると考えられます。この考え方にしたがえば、表参道に出店する際、「カフェ」と「居酒屋」は宣伝にあまり苦労しなくても一定レベルの客足を見込めるでしょう。