麻布エリアの居抜き物件
六本木と隣接した港区の街、麻布十番。六本木のお膝元として高級な街のイメージが持たれる場所ですが、駅周辺には大規模な商業施設や高層ビルはなく、下町の風景を随所に残しています。
しかし、近隣では大型再開発が進んでおり、これからどのように変化していくのか、注目されるエリアでもあります。旧来より国際色豊かで、国内外からさまざまな人々が集まる麻布十番にはどういった特色があるのか、その魅力をご紹介します。
世界各国の大使館に囲まれた国際色豊かな街
麻布十番のある港区には、各国の大使館が集結しています。これは江戸時代末期の開国後、日本に訪れるようになった外交官たちの受け入れ先として使われた寺院が、港区に多数あったためと言われています。元麻布にある「善福寺」は日本で最初のアメリカ公使館であり、1859年にアメリカ合衆国のタウンゼント・ハリスらが滞在しました。
そういう土地柄のためか、麻布十番では外国人の方の姿を多く見かけます。大使館関係者はもちろん、海外からのビジネスパーソンが麻布近辺を拠点にしているという理由もあります。港区は数多くの企業が本社を構えているので、出張してきた外国人が港区に数ヶ月滞在することも珍しくありません。
そういった長期出張の外国人向けに、期間限定で借りられる「サービスアパートメント」という賃貸マンションも多くなりました。サービスアパートメントの内装は一般的なウィークリーマンションよりもグレードが高く、定期的な清掃サービス、常駐のコンシェルジュなど、ホテルのような待遇が受けられることが特徴です。麻布十番の駅近くにも新しくサービスアパートメントが建ち、個人や家族連れなどが利用しています。
麻布十番祭り
麻布十番商店街の最大のイベントとして、毎年8月末の土日に開催される「麻布十番納涼祭り」は毎年大盛況のお祭りです。1966年に初めて開催され、現在では2日で約40万人の来場者数を記録する大型行事になりました。地元商店街から約200店が出店し、この飲食店が用意する屋台の食べ物はクオリティが高いと評判です。また近隣の大使館からの出店もあり、グローバルな各国料理やお酒を味わうことができます。人気イベントの「おらがくに自慢」では北海道から九州まで各都道府県のブースが約50店出店され、自慢の郷土料理を提供しています。
どんな飲食店がある?
麻布十番の飲食店業態の割合データによると、バーが618件、居酒屋が595件とお酒が飲める飲食店が全体の半数以上を占めています。実際に「お酒を飲みながら食事を楽しみたい大人にぴったりのエリア」として評価されているようです。
どんな飲食店が出店チャンス?
麻布十番は大型再開発が進むことから、更に多くの集客が見込めるエリアです。国際色が豊かで、食に対してさまざまなこだわり持つ人が増えると予想されるため、嗜好もより細分化が進むことが考えられます。
特に世界三大宗教のひとつで、世界に18億人も信者がいるイスラム教に対応する「ハラール料理」は、今後ますます必要とされてくるでしょう。ハラール認証までは取らなくても、ハラール対応メニューや、ベジタリアン対応メニューなどを取り入れ、広くPRしていくことが国際的な街、麻布十番だからこそ飲食店に求められる最大の要素と考えられます。
次に需要が見込まれるのが、おひとり様と呼ばれるキャリア独身女性向けの店です。可処分所得が高く、一人で食事をすることが多いので、早朝からヘルシーな朝食を提供するカフェや、身体に良い薬膳料理店、サラダをメインとする野菜に特化した量り売りのテイクアウト店などの需要が増えるでしょう。キーワードは「おひとり様」「健康」です。従来の形態から一歩離れ、いかにこだわりのある飲食店を出店できるかが、麻布十番で成功するポイントかもしれません。