
大島は、東京都江東区のうちでも、北東部に位置しているエリアです。もともとは江東区のほかの地域と同様に、下町人情を感じられる庶民派というイメージのある地域でしたが、近年そのイメージを一新する出来事がありました。
それは、2014年度の「社長の住む街」ランキングにおいて、7位という好成績を残したことです。恵まれた交通アクセス環境が影響してか、大島は突如として成長を期待される存在になりました。
現在も下町としての顔を色濃く残しながら、マンションの建設ラッシュが始まるなど、今度の動向に注目が集まっている大島エリア。将来的には高級住宅地として変貌を遂げる可能性を秘め、その人気は未知数といえます。
「社長の住む街」にランクインして注目を集める
江東区の大島エリアが突如として注目を集めるようになったのは、2014年頃のことでした。大島エリアはもともと交通アクセス環境に恵まれた地域ではあったものの、それまではとりわけメディアで大々的に取り上げられる機会もなく、知る人ぞ知る地域という位置づけであったようです。
ところがそんな大島エリアは、東京商工リサーチにより2014年度に行われた調査で、「社長の住む街」として突如トップ10入りを果たします。この年のランキングでは、過去にトップに輝いたことのある高級住宅地こと田園調布を18位に抑え、なんと7位という上位に大島が躍り出たのです。
大島は、こうして「社長の住む街」として、大きな注目を集めることになりました。現在は都内有数の高級住宅地としてその名を知られる地域も、数年前にはほとんどの方に知られていなかったというケースが少なくありません。
それと同様に、大島エリアも将来は高級住宅地として名を馳せる地域にまで成長を遂げる可能性があり、人気が急上昇しています。
すでにマンションの建設ラッシュが始まっていることから、数年後には大きな変貌を遂げるなど、期待が集まっているようです。
注目のきっかけとなった良好な交通アクセス環境
このように大島エリアが急上昇を果たした理由のひとつとして考えられているのが、交通アクセス環境の良さです。
大島駅には、都営地下鉄新宿線が乗り入れています。大島駅から都心へ出るまでにかかる時間は、人気の豊洲や有明といったエリアとそれほど変わりません。たとえば、新宿駅までは乗り換えなしで24分、東京駅までは20分、池袋駅までは30分でアクセス可能となっています。
さらには、当時それほど知名度が高いわけではなかった大島エリアは、比較的リーズナブルな家賃で広い部屋を借りられるなどのメリットがあったといわれています。
親しみやすい下町としての顔
大島エリアは、「社長の住む街」というイメージとは対照的に、下町らしい庶民的な暮らしができる街としての魅力を持ち合わせています。
従来の江東区が担う印象の通り、リーズナブルな大衆酒場や商店街などの名物があり、単身者にも暮らしやすい地域です。高級住宅地と聞くとハードルの高さを感じてしまうかもしれませんが、大島には依然として親しみやすい下町としての顔が残されています。
そんな大島の特徴がよく現れているのが、「中の橋商店街」です。こちらの商店街には、人情味あふれる下町の景色が残されており、テレビ番組をはじめとしたマスメディアでも度々取り上げられています。
大島駅の東側に位置しているこの商店街は、たった300mという通りになんと100軒もの店舗が立ち並んでおり、15~20時までは歩行者天国に変身します。
日夜買い物客で賑わい活気を見せる商店街は、このエリアで暮らす地域住民にとって大切な買い物の場です。今後、高級住宅地として発展する可能性を秘めた大島ですが、昔ながらの下町としての顔もきちんと残されています。
どんな飲食店がある?(1km圏内)
下町人情が残る大島エリアには、和食店が159件あります。中にはメディア取材を受ける下町の人気店もあり、地域住民から長年愛される飲食店が数多く残されています。次に多いのは、居酒屋の108件であり、続いて43件の中華、35件のカフェ、30件のラーメン店などが所在しています。
どんな業態が出店チャンス?
大島エリアで出店チャンスがあると考えられているのが、現在すでに安定して需要のある「和食」や「居酒屋」の業態です。このように人気の店舗の付近にあえて出店することで、似たような客層の顧客を集めるとともに、さらには互いに競争力を高めるというのが、出店戦略の基本となっています。