異国情緒漂う街並みとハイレベルなグルメが魅力
牛込神楽坂エリアには、かつて花街として栄えてきた歴史があります。また、過去にフランス大使館の所在地でもあったことから、街の到るところに異国情緒漂う風景を見つけられます。『ミシュランガイド』の掲載店舗が点在する“グルメの街”としての顔は、神楽坂エリアならではの魅力です。
その一方で、治安の良さや利便性の高さから、ライフスタイルにもよくマッチする街といえるでしょう。接続駅である飯田橋の隣駅であり、都内のどこへ出かけるのにも困らない立地です。伝統的なお祭りをはじめとした文化も根付き、豊かな暮らしを叶えたい方に最適な街といえます。
“牛”とゆかりのある牛込という地名の由来
牛込神楽坂の地名にある「牛込」とは、神楽坂・市谷・早稲田エリアを中心とした東京都新宿区の地域名です。かつてこの一帯は「東京市牛込区」と呼ばれていました。
名前に“牛”が入っている通り、牛込神楽坂は牛とゆかりのある歴史を持ちます。701年ごろ、「牛込」と呼ばれる牧場が武蔵国に建てられた際、この地域には飼育舎が建てられることになりました。
その後、明治時代に牛乳の需要が増えると、神楽坂・若松町・市谷といった地域は牛畜で栄えるようになったようです。
また、現在には資料や遺構などが残されていないものの、かつてはこの地に「牛込城」が所在していたと伝えられています。
牛込城は、戦国時代に群馬県から進出してきた牛込氏の居城だったようです。牛込氏は、もともと小田原の後北条家に仕えていたものの、その後に後北条家が滅びることとなり、最終的には徳川家に仕えることになります。
このとき、牛込城も取り壊されたと言われています。残念ながら、現在の神楽坂エリアには城跡とみられるものはなく、住宅街が広がっています。
飯田橋の隣駅という利便性の高さ
牛込神楽坂駅には、都営地下鉄大江戸線が乗り入れています。大江戸線を利用すれば、乗り換えなしで新宿や六本木といった都内主要エリアへ出ることができるため、交通の利便性も十分だといえます。
さらに注目したいのは、牛込神楽坂は接続駅である飯田橋の隣駅という点でしょう。飯田橋駅は、JR・東京メトロ・都営地下鉄という3社が乗り入れていることから、利用できる路線も多岐にわたります。
JR中央線・東京メトロ東西線・有楽町線・南北線・都営地下鉄大江戸線という5路線を利用すれば、都内のどのエリアへもアクセス可能です。牛込神楽坂駅から利用できる路線は1つですが、飯田橋までたった1駅という立地は、大きなメリットだといえるでしょう。
かつての花街からグルメの街へ
牛込神楽坂を含む神楽坂エリアは、閑静な住宅街が広がる一方で、グルメの街としても名高い地域です。『ミシュランガイド』に掲載された店舗が多数点在し、都内屈指のハイレベルなグルメを求めて、多くの美食家たちが足を運んでいます。
そんな神楽坂が、グルメの街として知名度を高めた背景には、かつて「花街」として栄えてきた歴史があったようです。
花街とは、芸妓屋や遊女屋といった店舗が集まる地域のこと。戦前の神楽坂エリアには、600名もの芸妓が存在したともいわれ、盛り上がりを見せていました。
戦後になると、一時期は街全体が活気を失ったものの、高級料亭などの店舗を中心として、ふたたび栄えるようになります。やがて、各界の大物と呼ばれるほどの重要人物が足繁く通うようになった神楽坂エリアは、グルメの街として発展するようになりました。
現在では、激戦区とも呼ばれるほどの成長を遂げています。
また、かつて神楽坂にフランス大使館が所在していたことも、この街がグルメで栄えるきっかけになったのではないかと考えられています。フランス大使館で労働する方を対象に、次々とフランス料理店が誕生したことから、現在にまで多くのフランス料理店が残される結果となったのです。
花街としての歴史や、フランス文化との融合によって、神楽坂エリアには独特の雰囲気が漂うようになりました。
都内有数の賑わいをみせる「神楽坂まつり」
例年、牛込神楽坂駅から徒歩1分のエリアで開催されているのが、「神楽坂まつり」です。
昔懐かしい情緒を味わえるこちらのお祭りでは、ほおずき市と阿波おどりが開催されています。来場者は5~6万人にものぼるといわれ、イベントは4日間にもわたり続けられます。
都内でも有数の賑わいをみせ、多くの方が浴衣で足を運び、日本の夏の風物詩を楽しんでいます。
ほおずき市で購入できるほおずきは、お盆でご先祖様の行く先を照らすといわれ、夏らしい赤色を楽しめるのが魅力です。50店もの出店が所狭しと並び、牛込神楽坂の街がもっとも盛り上がりを見せます。
どんな飲食店がある?(1km圏内)
牛込神楽坂エリアにもっとも多いのは、488件で和食の店舗です。次に多いのが450件の居酒屋、257件のBARとなっています。ほかのエリアと比較して、イタリアン・フレンチが204件と多いのは、グルメの街である牛込神楽坂ならではの特徴といえるでしょう。
どんな業態が出店チャンス?
グルメ激戦区である牛込神楽坂。厳しい競争になることが予想されますが、そんな中でも出店チャンスがあるのは、「和食」と「居酒屋」の業態だと考えられます。あえて人気店と同じ業態を選んで出店することで、客層やニーズに合致した出店が可能となります。
どんな客層?
【平日/昼】
牛込神楽坂を含む東京都新宿区は、昼間人口が夜間人口より圧倒的に多いエリアです。770,094人もの方が滞在する日中はビジネスマンが多く、ランチ平均単価は1,000円以下とリーズナブルになっています。
【平日/夜】【土日】
新宿区の夜間人口は305,716人であり、日中の半数以下にも下がります。ディナー平均単価は、グルメの街らしく3,000~4,000円と高めです。客層の中心となるのは、高級住宅地に住む地域住民と考えられます。
人口特性
神楽坂一丁目から六丁目までの世帯数は、1,510件となっています。もっとも件数が多いのは、神楽坂六丁目の573世帯です。神楽坂三丁目を除いて、ほとんどの地域で男性よりも女性が多い傾向にあります。
乗降人数
牛込神楽坂駅の乗降人数は、14,672人となっています。この数値は、開業当初の見込みである1万4,000人とほとんど差がありません。2003年の時点では10,807人であった乗降人数は、ゆるやかに増加している傾向にあります。
牛込神楽坂の賃貸相場
牛込神楽坂の賃料相場は、高級住宅地というだけあり、全体的に高い傾向にあります。ワンルーム・1K・1DKでも10万円を超え、2LDK以上になると25万円を超えることも珍しくありません。ファミリー世帯向けの3LDKとなると、相場は40万円を超えます。
牛込神楽坂の店舗賃料相場
牛込神楽坂が位置する新宿区の店舗賃料相場は、駅から徒歩5分以内で20~40万円です。エリアによっては、条件の良い物件が45万円以上となることもあります。グルメ激戦区である牛込神楽坂は、出回っている物件の数自体が少ない傾向にあります。