豊富な交通アクセス
新橋駅は、JR線、東京メトロ、都営地下鉄、ゆりかもめの4線が乗り入れています。JR東京駅・有楽町駅・品川駅・浜松町駅などの主要駅から1駅と地の利もよく、高速バスの発着駅でもあることから、成田や逗子など千葉・神奈川方面との接続もしやすい駅です。また「ゆりかもめ」の起点にもなっており、この駅を経由すればお台場・有明方面にも足を伸ばすことができます。銀座、虎ノ門、汐留からは徒歩圏内のため、ショッピングやギャラリー巡りをしながらの街歩きなども楽しめます。
大手企業が建ち並ぶ汐留口
新橋駅の東側に位置する汐留口は、企業の本社ビルが多いエリアです。特に2001年の再開発で、電通、日本テレビ、パナソニックなど名だたる大手企業の本社が入る「汐留シオサイト」が建設され、汐留口側は、近代的なオフィス街へと生まれ変わりました。
それぞれの顔を持つ鳥森口・銀座口・日比谷口
新橋駅には東側の汐留口のほか、鳥森口、日比谷口、銀座口と4つの出口があります。新橋の代名詞でもある「SL広場」や「ニュー新橋ビル」の最寄り口として知られているのが駅の西側にある日比谷口です。同じく西側には、古くからの商店街や中小様々な雑居ビルが建ち並ぶ歓楽街への入り口 鳥森口があります。また汐留口と並び、駅の北東側にあるのが、銀座エリアのラグジュアリーな商業施設への導線としても機能している銀座口です。ちなみに前述したSL広場は日比谷口にあり、有名なガード下の飲食店街は、いつも仕事帰りのサラリーマンで賑わっています。
新橋の飲食店トレンド
新橋は、歴史的な出来事とも縁があります。学校の教科書などでよく目にする「平将門の乱」も、その1例です。白羽の矢が、この乱と新橋をむすびつけました。反乱事件は940(天慶3)年に起きますが、朝廷から派遣された藤原秀郷により鎮められます。彼は、先勝祈願のために訪れた稲荷神社で、白狐(びゃっこ)から「矢」を受け取っていました。この矢が反乱を鎮定へと導いてくれたため、藤原秀郷は感謝の意を込めて新しい稲荷神社の創建を思い立ちます。その際、再び現れた白狐のお告げにしたがい、秀郷が選んだ創建場所が、新橋2丁目の烏森の地だったというわけです。
また鉄道マニアでなくても、国内で最初の鉄道は新橋駅~横浜駅間に開通したことを多くの人がご存じでしょう。1872(明治5)年開業ですが、その後、初代の新橋駅は「汐留駅」に改称されます。1877(明治10)年、モースが大森貝塚を発見したのも横浜から新橋へ向かう途中でした。1995(平成7)年、汐留駅跡地の再開発工事がはじまると発掘調査も行われ、営業当時の新橋駅の様子などが確認されています。
ひときわ目を引く「ニュー新橋ビル」
高度成長期に新橋の街に姿を現し、それから数十年もの長い間愛されてきた新橋駅東口前の雑居ビル「ニュー新橋ビル」は、電車からも見える独特な格子状のファサードが特徴的で、いまとなっては“渋いビル”の代表格としてレトロフューチャーな魅力を放っています。
このビルは今も変わらずサラリーマンの憩いの場で、“オヤジビル”という愛称で呼ばれることもあります。
ビル内にある店舗は、居酒屋や食堂、パチンコ店、整体など新橋で働く人々をターゲットにした個人店が多く、飲食店では、健康に気づかうビジネスパーソンたちにこよなく愛されるジューススタンド「ベジタリアン新橋本店」や、ビル開業時からある喫茶店「純喫茶フジ」など、新旧いりまじったラインナップが魅力です。刺身・焼き魚・てんぷらがセットになった定食が1,000円以下で食べられる「しんばし初藤」や、昔ながらの串揚げが1本130円から楽しめる「串かつ 串かしく」など、昼は定食、夜は居酒屋といった使い分けができるのもこのビルの特徴といえます。
東口駅前のレトロビル「新橋駅前ビル」
新橋駅は、西側には「ニュー新橋ビル」、東側には「新橋駅前ビル」と昭和の2大レトロ建築が健在です。汐留口を出るとすぐ目に飛び込んでくる格子状のガラスのファサードが印象的な「新橋駅前ビル」には、立ち飲み屋や喫茶店といった昭和の雰囲気を感じられる名店が多数入居しています。
中でもナポリタンやハンバーグといった昔ながらの洋食がいただける「カフェテラス ポンヌフ」や、ビル開業当時からこの地に店を構え、池波正太郎が通ったことでも知られる「ビーフン東」など、数々の名店が今も営業を続けています。また、ランチタイムはとんかつ、夜は立ち飲み屋という2つの顔を持つ「立呑み とんかつ まるや 新橋店」は、食べログとんかつ百名店にも選出されているほどの人気店です。
再開発によってうまれた「HIBIYA OKUROJI」
「HIBIYA OKUROJI(ヒビヤオクロジ)」は、新橋駅—有楽町駅のJR線高架下に2020年9月にオープンした商業施設です。歴史ある煉瓦造りの高架下には、飲食店16店、物販14店の合計30店が軒を連ねています。
ワンランク上の大人の肉料理を楽しめる「ニクバルCARNIVOR」や、天ぷら×ワインという組み合わせがおもしろい「天ぷらとワイン 大塩」、ハラル、ベジタリアン、ヴィーガンといった食の多様性を持つ人が1つのテーブルを囲んで楽しめる多国籍カフェ&ダイニング「SOLEIL」など、モダンな空間に現代的なコンセプトをかかげる新店が目立ちます。
赤煉瓦の高架橋のたもとにできた「日比谷グルメゾン」
同じく新橋—有楽町駅間のガード下に、2020年に誕生したのが6店舗の飲食店からなる「日比谷グルメゾン」です。タイ東北地方のタイ式焼肉が食べられる「タイ屋台999(カオカオカオ)」や“一年中オクトーバーフェスト”がコンセプトの本格ビアホール「シュマッツ・ビア・ホール」などのほか、「中華そば ふくもり」「神仙」、「博多豚骨 新風」など全国各地の有名ラーメン店が集結したフードコート形式のラーメン店「RAMEN AVENUE」も店を構えています。
新橋ガード下横丁
新橋ガード横丁は、“新しい大人の溜まり場”をコンセプトに、2018年に新橋駅徒歩1分ほどのエリアに誕生しました。おばんざいが楽しめる「おばんざい家 新橋」や、コスパのよい串屋「串カツ勝」、ジンギスカンの店「成吉思汗ラムバカ」など、10件ほどの飲食店がフロアを共有しています。通常は、15時から翌5時まで営業しているため、昼飲みも楽しめ、終電を逃しても安心です。(※現在は東京都の要請に伴い営業時間が変更されている場合があります。)
どんな飲食店がある?
新橋周辺の飲食店で最も多いジャンルは和食で、1061件あります。次いで多いのが居酒屋で866件です。またバーなどお酒を提供するお店も589件と多く、全体的に飲屋街としての需要が高い印象です。フレンチやビストロなどは100件に満たず、和食や魚介系の需要が高いようです。
どんな業態が出店チャンス!?
新橋で新規に出店するなら、和洋を問わず『食事処』や『飲み屋』の出店チャンスが高そうです。競合店も多くなりますが、新橋に飲みにくる人の数も多いため、コンセプトやサービスで差別化を図るなど、オリジナリティを出して顧客獲得を狙う必要がありそうです。