路面店、空中店、地下店の特徴
路面店とは、通りに面した1階の店舗のことを言います。道を歩いている歩行者や、車で移動している人から目につきやすいため、顧客獲得につながりやすい特徴があります。特に都市部の大通りには、チェーン展開している店舗を多く見ることができます。しかし集客力が高い分、賃料が高いというデメリットがあります。一方、空中店とはビルの2階以上にある店舗のことです。路面店と比べると、歩行者からの視認性が低いため、集客には工夫が必要となります。一般的には上の階に行けば行くほど視認性が低いため、賃料が安くなる傾向にあります。
地下店はその名の通り、地下にある店舗です。こちらも路面店と比べて、視認性が低いことと賃料が安いという特徴があります。また、2階や3階の空中店であれば、多少店内の様子が見えることもありますが、地下店の場合は店内に入るまで中の様子がわからない店舗が多いため、空中店以上に視認性が低い可能性があります。
路面店のメリット・デメリット
視認性のほかに路面店のメリットとして、入りやすさや外観の自由度などがあげられます。急いでいる人や子供・シニアを含むファミリーにとっては、空中店や地下店よりすぐに入れる路面店のほうが好まれる傾向にあります。このような消費者をターゲットにしている業態であれば、路面店への出店は魅力的でしょう。また、敷地内であれば店頭の装飾も空中店に比べて自由度が高いのもメリットです。ただ、一般的に路面店は賃料が高く、付随して保証金も高くなるため、初期投資もランニングコストも高くなります。事業計画をしっかり作成して、売上と費用のバランスを見極める必要があります。また、路面店は人気のため、空き物件が極めて少なく、物件が決まるまでに時間がかかることも考慮しておきましょう。
空中店・地下店のメリット・デメリット
路面店と比較すると賃料が安いというのは大きなメリットです。初期投資もランニングコストも抑えることができるので、その分を広告宣伝や販売促進費に回すことができます。また、路面から距離があり外の音が入りにくいため、落ち着いた雰囲気の業態の場合は空中店や地下店のほうが向いているでしょう。一方で、路面店と比較すると視認性においては大きく劣ります。路面店では、たまたま店を見た通りがかりの人の利用も期待できますが、空中店や地下店の場合は目的客が大部分となります。とはいえ、ビルオーナーや1階店舗にお願いをして、できるだけ自店の看板などを通行人が見える場所におけるようにしましょう。また、3階以上の空中店の場合は、階段だけではお客様も上がりづらいので、エレベーターが設置されているかをしっかり確認しましょう。
空中店・地下店の集客ポイント
ここでは、視認性で劣る空中店や地下店の集客のポイントを紹介します。まず、せっかく来ていただいたお客様に、また利用してもらえる仕組みを作りましょう。次回利用可能なクーポンやスタンプカード、友人紹介制度などで目的客を増やすことが大切です。SNSやネットでの販促なども欠かせません。通行人から店内の雰囲気やメニューなどが見づらいので、ネットではどんどん公開していきましょう。
また、同じビルや近隣の店舗に挨拶に行き、チラシやクーポン券などを配布しましょう。その店舗の顧客の利用はもちろんですが、従業員が利用してくれる可能性も高くなります。もちろん、近隣店舗のチラシの設置もお願いされたら、快く受けてください。
今回は、路面店と空中店・地下店の違いについてまとめてみました。それぞれ特徴があるので、今回の内容を参考にしつつ出店を考えている業態に合う物件を探してみてください。