物件契約までの大まかな流れ
では早速、物件契約までの大まかな流れをみていきましょう。■物件探し
飲食店出店を計画するとき、頭の中で、このエリアで、この大きさで、こんな人が来て……とシミュレーションをするものですが、思い通りの物件にすぐに出合えるとは限りません。まずは出店エリアに強い不動産店をリサーチの上、訪問し、自分の希望を伝えておきます。そうすると、適合する物件が空いたときに不動産店が連絡をくれます。また、居抜き物件を専門に紹介するWebサービスの新着情報は常にチェックしておきましょう。
■下見
良さそうな物件を見つけたら、まずはエリアの下見。物件自体はもちろんのこと、駅からの道のりや、まわりの環境を良く見ることが大切です。昼はにぎやかなエリアでも、まわりが物販店ばかりだと夜は閉店してしまい、ぱったりと人通りが途絶えることもあるためです。
平日昼、平日夜、土日昼、土日夜、雨の日など数パターンの条件のもと、通行量の調査もします。家賃(坪単価)が適正か、自分の事業計画で利益が出せるかを試算するのも、このタイミングです。
■内見
次は内見です。すでに退去済の場合は比較的自由に内見が出来ますが、まだ前の店が営業しているときは、内見のチャンスも限られるもの。一度の内見で、見たいところをすべてチェックできるよう、カメラとメモ用紙を持って臨みましょう。
■申し込み
いよいよ不動産店に申し込みです。同時に申込金や手付金と呼ばれる費用が必要なこともあるため、気をつけましょう。金額はだいたい、保証金の1割程度のことが多く、保証金の一部という扱いになります。ちなみに銀行からの借り入れを予定している場合、基本的に保証金目的の借り入れは出来ませんので気をつけましょう。
■審査
申込書に名前や住所、その場所での事業計画、今までの経歴や会社の概要を添え提出すると、それをもとに大家が審査をします。大家個人が事業計画を見て判断する場合もありますし、相手が大手の会社の場合は、会社や個人の情報を照会されることもあるかもしれません。
■契約
審査が通ったら、いよいよ契約です。事前に不動産店から、契約書の内容について確認依頼があります。数ページにわたる契約書ですが、サインしてしまった後の変更はききません。一字一句細かに確認し、不明なところ、変更してほしいところは不動産店に相談します。
なお、保証金および不動産店に払う手数料は、契約日当日までに着金するよう振り込むことが多いです。金額が大きい振込は、窓口で依頼しなければなりません。間に合わないと大家の信頼を著しく損ねますので、事前に手配するなどしておきましょう。
では次に、契約書で借主が確認しておくべきポイントについて解説します。