物件内見の流れ
不動産店で紹介されたり、ネットの情報を見たり、前を通りかかって気になった店舗があれば、まずは内見を依頼しましょう。大抵は不動産店の担当者が立ち会い、物件の説明を聞きながら中を見ることができます。まだ前の店が営業中の場合は、その店のオーナーや店長も立ち会う場合が多いです。不動産店やお店の都合もあり、そんなに何度も内見をすることができない場合も往々にしてあります。なるべく2、3回の内見で、契約の可否を判断するための情報をすべてチェックしたいもの。また、疑問点を不動産店や現借主に直接質問できるチャンスでもあります。
効率的に内見するためのポイントを解説します。
記録するためのアイテムは忘れず持参を
まず、内見は時間をかけても30分程度。その中でチェックできるところ、またできなかったところを後日確認するため、以下のものを持参しましょう。■ノート、ペン
大きめのノートに店内の見取り図などを書き、その図に細かい部分をメモしていくとよいでしょう。
■カメラ(スマホでもOK)
当日「見た」と思っていても、後日、あそこも見ておけばよかったと思うことがほとんどです。あとで振り返ることができるよう、とにかく何枚も、いろんな角度から写真を撮っておきましょう。客席のみならず、収納スペース、エアコン、トイレ、厨房内設備、小物、グリストラップなども必須。また建物外側については、ダクト排気口、エアコン室外機、給湯器なども撮れたらベストです。
■メジャー
特に居抜き店舗では、メジャーが必須です。簡単な見取り図に寸法も書き入れておけば、あとで業者とプランニングするのにも役に立ちます。
■懐中電灯
スケルトンの店の場合など、照明が付いていない場合があります。スマホのライトでも良いですが、広い物件の場合は懐中電灯が便利でしょう。
外してはいけないチェックポイント
■ダクト、グリストラップ、エアコン
居抜き店の場合、入居後によく問題となるのが排気ダクトやエアコンのパワーの弱さと、グリストラップの排水問題。入居後に大きな工事が必要になることも多いため、気を付けたい部分です。営業中の店に内見に行く場合、店のスタッフさんに聞くと、詳細に教えてくれることが多いです。思い切って、聞いてみましょう。
■大家さんや他の住民の居住有無
個人の大家さんの場合、大家さんやほかの方が物件の階上に住んでいるパターンも多くあります。大家さんが住んでいる場合は、困ったことをすぐに相談できる反面、騒音問題などには特に気を付けなければなりません。
■昼、夜の近隣環境
内見時、物件の中だけでなく、周りの環境もよく観察しましょう。人通りや周辺の店舗の有無、傾向、営業時間などもチェックします。近隣に住宅が多い場合は、騒音について要注意です。
■居抜きの場合は厨房設備や水回り
前の店舗から厨房設備や家具などを引き継ぐことを予定している場合は、そのあたりも詳細に見ておくことが重要です。しかし、お店の方が仕込みなどしている場合、あまり隅々まで見られないことも多くあります。そんなときは、厨房設備の年式・型番が書いてあるプレートを写真に収めておくと、あとでサイズや容量が分かったり、売った場合の見積が取れたりします。
■物件外側の整備状況
内見時に意外と忘れるのが、建物の外側の設備です。ダクト、室外機、給湯器の確認はマストですが、そのほかに、ビルの外壁が古過ぎないか、窓の状況、ネズミや害虫が侵入しそうな小さな穴などが多くないか、そんなところを見ておきたいものです。
いかがでしたか?基本はとにかく写真を撮り、見取り図を書き、疑問点を聞き解決すること。居抜きの場合は前の店の方に、客層や困ったことなどさまざまな質問をしてしまいましょう。思った以上に多くのリアルな情報が手に入るのが、「内見」なのです。