
1.開業資金の考え方
まず見ていくのは、開業資金。飲食店開業資金の主な内訳は、保証金、礼金、仲介手数料など物件取得にかかる「物件取得費用」、内装工事費や厨房設備など店内の設備や備品を揃えるための「内装・設備費用」、そしてお店が軌道に乗るまでに必要な「運転資金」の3つがあげられます。飲食店.COMが出店経験者に対して行ったアンケートによると、約6割の人が1,000万円未満で開業しています。しかし、飲食店の開業費用は、業態や規模、物件の状態(居抜きやスケルトンなど)によって必要となる厨房設備が異なるため、500万円程で済む場合もあれば、2,000万円以上かかることもあります。
また、開業にあたり用意する自己資金は、開業資金の3分の1が最低ラインです。一般的に自己資金を元にお金を借りるため、自己資金が全くないと残りの資金を調達するのが困難になってしまいます。
2.売上の予測方法
飲食店を開業する前にどれぐらいの利益が見込めるのか予想を立てておくことも大切です。座席数や回転率を元に、売上予測を立てていきましょう。以下は、1日の売上を予測するための計算式です。1日の売上=座席数×満席率×回転率×客単価
まだ座席数が決まっていない場合は、「坪数×1坪当たりに置く座席数」で、大体の座席数を把握できます。1坪当たりに置く座席数は、レストランが1.3~1.5席、ファストフードが2.5席以上と、業態やコンセプトによって異なります。
満席率は、満席時に客席が埋まっている割合を示す値で、60%~70%が目安。テーブル席のある飲食店では、2人掛け用のテーブルに1人が座っていることもあるため、テーブル席が埋まっている=満席とは限らないので注意しましょう。
3.売上に対する家賃の割合
いくら良い物件を見つけても、毎月払える金額の家賃でなければ、安定した経営は見込めません。家賃は、売上の10%以内に収めるようにするのが一般的な考え方。つまり、10万円の物件を借りるのであれば、月100万円の売上が必要になるということです。家賃の相場は、人が集まる都市部ほど高くなるため、売上見込みを考えると狭い店舗しか借りられないこともあります。ゆとりある店舗を考えているなら、地方にも目を向けてみるのも良いかもしれません。
