そもそも保証金って何?
店舗物件における保証金とは、住居用賃貸物件でいう敷金のような位置付けのもの。特に事業で使用する物件は、経営状況によって未払いリスクが高まるため、保証金が設定されていることがほとんどです。万が一、飲食店の経営がうまくいかず家賃を支払えなくなった場合には、この保証金から賃料が補てんされることもあります。また、物件退去時には原状回復の工事費用に充てられることも。退去時には借主が原状回復を行う契約がほとんどですが、借主にそれだけの支払い能力が残っていないときや、借主の原状回復では不十分だと貸主が判断したとき、店舗が大きく傷つけられているときなどに、この保証金を使って原状回復が行われます。カフェのような軽飲食店用の物件は解体工事費が安くすむため、保証金も安く設定されていることがあります。
貸主の視点に立って考えたとき、保証金は収入ではなく預り金扱いになるため、課税の対象にはなりません。一方で、事業用として使用する店舗物件の家賃は課税対象です。住宅用賃貸物件は非課税のため勘違いしやすいので、注意しましょう。
保証金の相場はどれくらい?
店舗物件の保証金は月額家賃の2~10倍程度となることが多いですが、物件によってかなりの差があるようです。駅近物件や人気のエリアにある物件など、好立地であればあるほど高くなり、賃料の20倍以上も必要となるケースも。このような物件を借りるとなると多額の資金が必要になるため、個人ではなかなか借りづらいのが実情です。開業資金をなるべく抑えたい個人事業主は、必然的に保証金が安い物件を選ぶことになるでしょう。保証金を安く抑えることができれば、開業資金自体を安く抑えたり、店舗の内装や器具類に資金を充てたりすることが可能となります。
駅近や人気エリアではなくても、「裏路地だけど意外と人通りが多い」「二階だけど、一階からの視認性がいい」など、集客しやすい店舗を探しましょう。実際、個人の方が開業されている店舗の保証金は月額家賃の2~6倍程度であることが多いようです。
いずれにしても、出店を考えている地域の物件をなるべく多く調べることが重要です。賃料や保証金だけでなく、管理費や更新料などの金額も必ず確認するようにしてください。