居抜き物件であれば費用が抑えられる?
飲食店を開業するために物件を探す際、前オーナーが飲食店を経営していた「居抜き物件」を選択肢に入れる人は多いです。それは「飲食店の運営に必要なインフラが揃っている」「造作譲渡がある」といったメリットがあるからです。特に造作譲渡は、初期投資を抑えられるという点で、一般的には大きなメリットだと捉えられています。しかし「使えないものが入っていた」「実際に使い始めてみたら不具合が見つかった」「思っていたよりも使い勝手が悪い」といったことが判明し、結局は購入や修理の費用が必要となるケースもあります。
「造作譲渡があるから」と頼りすぎず、不測の事態を想定しておきましょう。また、造作譲渡は前オーナーの言い値で決まることもあります。知識が豊富な不動産業者を選び、契約前にしっかり説明を受け、疑問点はすべて解消しましょう。
地下や2階以上のテナントは賃料が安いけど……
地下や2階以上にあるテナントには、「賃料が安い」「値引き交渉がしやすい」といったメリットがあります。経費を抑えられるため、魅力を感じる方も多いでしょう。ただ、路面店に比べると集客は難しくなります。また、地下の場合、契約後に「雨が降ったら浸水してしまった」「カビが発生しやすい」「インターネットの環境が悪い」といった問題点に気付くこともあります。集客のための対策として最低限行いたいことは、1階での看板設置。契約後に許可がおりないということがないよう、契約前に必ずビルの共有部分の設置規制などを確認しておきましょう。また、ビルの入口を客観的に見てみることも大事です。入口が分かりにくく、地下や空中階にお客さまが行きづらい設計では、さらに集客が難しくなってしまいます。その場合は、選択肢から外すことを考えても良いでしょう。