電力大手10社と都市ガス大手4社は、5月30日に7月請求(6月使用分)の料金を発表した。電力消費が増える夏を前に、全社の料金が値上げとなる。今回は電気・ガス料金値上げの理由と、電力・ガス大手各社の値上げ状況について解説する。
7月からの電気、ガス料金値上げの理由
電力大手10社と都市ガス大手4社の7月請求(6月使用分)料金が値上げされる。ロシアのウクライナ侵攻や円安などによる燃料価格の急激な上昇に対して、政府は「電気・ガス価格激変緩和対策事業」で使用量に応じた値下げを行っていたが、電気・ガスともに2024年5月使用分で終了。電力大手10社の電気料金は、平均的な家庭の使用量で346~616円の値上げ、ガス大手4社は標準家庭で95~121円の値上げとなる。電力大手10社と都市ガス大手4社の全社が値上げするのは3か月連続だ。
主な電力・ガス会社の値上げ状況
飲食店の電気料金は、一般家庭が契約する従量電灯契約とは異なり、基本料金が高めの動力契約の場合もあるだろう。また、ガス料金も都市ガスかプロパンガスかによって金額が異なる。そのため、以下で紹介する主な電力・ガス会社の値上げ状況はあくまで参考としてチェックしてほしい。
・北海道電力:7月請求9,523円、6月請求との差409円(従量電灯B、30A、230kWh/月)
・東京電力:7月請求8,930円、6月請求との差392円(従量電灯B、30A、260kWh/月)
・中部電力:7月請求8,691円、6月請求との差346円(従量電灯B、30A、260kWh/月)
・関西電力:7月請求7,664円、6月請求との差468円(従量電灯A、260kWh/月)
・沖縄電力:7月請求9,663円、6月請求との差616円(従量電灯、260kWh/月)
・東京ガス:7月請求5,977円、6月請求との差121円(30立米/月)
・東邦ガス:7月請求6,795円、6月請求との差117円(29立米/月)
・大阪ガス:7月請求6,529円、6月請求との差121円(30立米/月)
・西部ガス:7月請求6,672円、6月請求との差95円(23立米/月)
業態によっても異なるが、飲食店は家庭よりも多くの電力やガスを消費するため、電気・ガス料金の値上げは経営に大きな影響を与える。それぞれの料金プランを見直して適切なプランに契約を切り替える、省エネ設備に変えるといった対策も必要になるだろう。値上げの影響を最小限に食い止めるため、店舗の状況を見直してほしい。